肌に優しい天然繊維
蚕(かいこ)の繭(まゆ)から作る「天然繊維」です。天然繊維の中でも、最も細い繊維でとっても軽いです。
主成分はタンパク質で、人間の肌と同じ成分で出来ています。
柔らかくしなやかで、とても滑らかな肌触りです。
化学繊維でありがちな、布に触れているところがチクチクしたりかゆくなったりすることの少ない繊維です。
上品な光沢
絹繊維の断面は不規則な三角形の形をしています。光を鏡のようにまっすぐ反射させるのではなく、いろいろな方向に反射・透過するため、豊かで上品な光沢になります。
夏は涼しく、冬は暖かい
吸湿性は綿の約1.5倍、放湿性は綿の約1.3倍。天然繊維の中で、もっとも汗を吸い、体外に放出してくれます。
着物の中に溜まった不要な湿気を外に出してくれるので、夏の不快感を軽減してくれます。
また冬は、体温を逃がさないように繊維の隙間に熱を保持してくれます。
もちろん不要な汗や湿気は外に放出してくれるので、蒸れによる不快な暖かさではありません。
静電気が起こりにくい
まったく静電気が起こらないわけではありません。しかし絹繊維は帯電しにくい素材です。
人の体とは静電気が発生しにくくなっています。
反対に、ポリエステルの着物とは、反対の性質の電気を帯びるため、静電気は発生してしまいます。
湿気に弱い
絹の管理でもっとも気を付けなければいけないのが「湿気」湿気の多い場所での保管や、汚れが付いたままになっていると、あっという間にカビが発生してしまいます。
また、カビが発生するだけではなく、絹はよく縮みます。
保管している間に縮んでしまって、袋の状態(風船のように、表や裏が膨らんでいる状態)になってしまうことがあります。
定期的な虫干し(2月/8月/10月頃)をして、箪笥の中や着物にたまった湿気をとってあげる必要があります。
虫害と黄変
湿気以外に気を付けたいのが「虫害」絹の成分はタンパク質なのでとってもおいしいごはんです。
虫食いにあって穴が開いてしまう・・・ということもしばしば。
樟脳や防虫剤などの使用も考えましょう。
また、紫外線(太陽光や蛍光灯)を吸収してしまうので、色褪せてしまう可能性もあります。
もちろんお出かけなどは問題ありませんが、陽の光が当たる場所で干したり、蛍光灯の下に置いたりなどは避けましょう。
虫害対策としても虫干しは効果的ですが、必ず日陰に干しましょう。
虫干しはよく晴れた日の日中に2-3時間干す必要があるので、陽の光が当たると、太陽光で変色してしまう可能性があります。
取り扱いが難しく高価格
汚れが付いたからといって、気軽にお家で洗えるようなものではありません。基本的には専門店にお任せすることになります。
汚れの状態や、生地の種類、刺繍や金箔類の有無で、クリーニング代は変わってきます。
また、着物自体もあまり安価なものではありません。
長く大切に着るためのお手入れが必須になります。