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着物のお手入れ -ポリエステル-

ポリエステルの着物

特徴
石油をもとに作られた「化学繊維(合成繊維・化繊)」です。

ポリエステルのほかに、レーヨンやナイロンを混紡した着物もあります。
化学繊維には、乾きやすい、しわになりにくいなどの特徴があります。
その特徴を生かした、絹にはない利便性があります。

その1つが「お家で洗濯ができる」という点です。
もちろん洗濯機で洗えます。
専門店にクリーニングに出す必要がなく、お家で洗濯できれば、お財布にもやさしい。
汗や汚れ、においがついても、お家でメンテナンスできれば、安心して着物が着られます。


ポリエステルの着物は、大量生産ができるので、コスト面が押さえられ、リーズナブルに購入することができます。
価格帯は、安くて4,000~6,000円程、高価なものでも20,000~30,000円程です。

見た目がより絹に近い物は、少々値が張りますが、正絹の着物比べれば、うんとリーズナブルです。

正絹と見紛うようなポリエステルの訪問着なども登場しており、お子様の卒入学式や、お茶会などにも着ていけるようになりました。

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  • 女袷
    LADIES
    袷着物 色無地
  • 女単衣
    LADIES
    単衣着物 色無地
  • 小紋袷 278
    LADIES
    袷着物 小紋
  • 単衣 小紋 282
    LADIES
    単衣着物 小紋
  • 男アンサ
    アンサンブル 紬風
  • 男袷
    袷着物 紬風
  • 男単衣
    単衣着物 紬風
  • 男アンサ 縞
    アンサンブル 縞柄
正絹との比較
正絹の着物は、お家でお洗濯することができません。
水に濡れてしまうと、シミになってしまう可能性が高いからです。
なので、専門店にクリーニングを出します。
着用する度にメンテナンスに出す必要はありませんが、そこそこ費用がかさみます。
また、保管にも気を付けていないと、カビや虫食いなどの被害にあってしまいます。

正絹のメリット

○適度な吸湿性と放湿性
○夏は涼しく、冬は暖かい
○軽量
○上品な光沢
○柔らかく、しなやか
○ストレスのない肌触り

正絹のデメリット

○湿気弱い(カビつきやすい)
○害虫被害に合いやすい
○経年劣化(摩擦・黄変など)
○洗濯は専門店
○高価格

まず初めに

洗濯表示の確認
洗える着物だからといって、洋服と同じように洗濯すると失敗してしまいます。
着物には着物の洗い方があります。

まずは、必ず洗濯表示を確認しましょう。
ほとんどの着物は、右側の衿先内側についています。(着用時に絶対見えないから)
もしなければ、首のところについています。

お家で洗えない着物

ポリエステルの着物は、基本的にお家で洗えますが、もしかしたら、洗濯不可のマークがあるかもしれません。
洗濯表示にこの画像が書かれている場合、お家での洗濯ができません。
必ず専門店に依頼してください。
洗濯不可

刺繍や金箔などがついた着物も、お家では洗えません。
刺繍の糸が切れてボロボロになったり、金箔が剥がれ落ちる可能性があるからです。
この場合も、必ず専門店に依頼してください。
汚れの確認
とくに衿のメイク汚れを注意深く確認しましょう。

メイク汚れは「油溶性」、汗汚れは「水溶性」の汚れです。
落とし方や洗剤はそれぞれ適したやり方があります。

メイク汚れ

そもそも、出先で着物が汚れていることに気づいた時、みなさんはどうしていますか?
焦っておしぼりや濡らしたタオル、ティッシュペーパーなどで拭いてはいませんか?

実はこの行動、NGなんです。
知ってましたか?

とくにファンデーションは、汗に強いウォータープルーフタイプを選んで使うことが多いと思います。
汗に強いので、あたりまえですが、水に強く、水を弾きます。
なので、水では落とせないんです。
さらにこすったり叩いたりすることで、汚れがさらに繊維の奥に入ってしまいます。
つまり、「触らない」のが正解です。
べっとりと汚してしまった場合は、表面だけをそーっとそーっとティッシュなどで拭きとって、すぐ専門店に持っていきましょう。
お家では落とせません。


さて、落とし方ですが、油溶性の汚れは、汚れを「分解」して「浮かせて」落とします。
★用意するもの★
クレンジングオイル
布(柔らかい白い布)


Step.0 色落ちの確認
着用したときに見えなくなる位置に少量塗布します。
この時に色落ちや着物の色の変化があった場合は、あきらめて専門店に依頼してください。

Step.1 シミにクレンジングオイルを少量しみ込ませます

Step.2 布でシミをトントンと優しく叩いて落としていきます
※布にシミ汚れがだんだんと移動していくので、キレイな面に替えながら繰り返します。

Step.3 オイルを付けた部分をぬるま湯、または水ですすぎ洗い

シミ抜き完了
口紅も同じ方法で落としてください。
パウダーが軽くついたくらいなら、そーっと払い落してから、洗濯機で洗ってしまいましょう。
正絹の着物に付いた汚れは、クレンジングオイルでは落とせないので注意しましょう。

着物の洗い方

Step.0 色落ちの確認
洗濯に使用する洗剤(中性洗剤)を、着用したときに見えなくなる位置に少量塗布します。
しばらく待ってから、白い布に色移りしてこないか確認しましょう。
激しく色落ちする場合は、お家で洗濯せずに専門店に依頼してください。
★用意するもの★
中性洗剤(おしゃれ着用洗剤)
洗濯ネット(畳んだ着物より大きすぎるサイズは不可)
着物ハンガー
Step.1 着物はキレイに畳んで洗濯ネット
型崩れを防いで洗濯するために、必ず畳んで洗濯ネットに入れましょう。

洗濯ネットの中で、着物が動いてしまっては、せっかくキレイに畳んであっても意味がありません。
着物がキレイにおさまるサイズの洗濯ネットを使いましょう。
ワイシャツ用の平べったいタイプの洗濯ネットがオススメです。
Step.2 洗う
洗濯表示にしたがって洗います。
または、手洗いモードで洗いましょう。
漂白剤の使用は避けましょう。

★注意★
脱水はいちばん弱いモードで30秒程度だけ
強く脱水したり、長時間脱水すると、型崩れの原因になります。
Step.3 干す
着物用ハンガーに掛けて干します。
洗濯シワは軽くたたいて伸ばしておきます。

干す場所は、風通しの良い日陰です。
太陽光に当てて干すと、色褪せの原因になります。

また、洋服とは違い、着物は直線的に作らています。
なので、洋服用の肩が下がったハンガーを使うと、型崩れの原因になります。

LINE UP

  • 着物ハンガー
    着物ハンガー
Step.4 アイロンかけ
着物が乾いたら、仕上げにアイロンをかけます。
シワが取れたら、綺麗に畳み、たとう紙に入れて保管しましょう。

★注意★
必ずあて布をすること
綿の着物以外に、スチームを使わない

ポリエステルの着物は、アイロンの熱にとっても弱いです。
直接当ててしまったり、高温すぎると、着物が溶けてしまう可能性があります。

LINE UP

  • たとう紙 おあつらえ 着物用 10枚
    たとう紙 着物用 10枚セット
  • たとう紙 辻が花 着物用 10枚
    たとう紙 着物用 10枚セット
  • たとう紙 おあつらえ 着物用 5枚
    たとう紙 着物用 5枚セット
  • たとう紙 辻が花 着物用 5枚
    たとう紙 着物用 5枚セット
  • たとう紙 おあつらえ 着物用 1枚
    たとう紙 着物用 1枚
  • たとう紙 辻が花 着物用 1枚
    たとう紙 着物用 1枚
  • たとう紙 おあつらえ 帯用 10枚
    たとう紙 帯用 10枚セット
  • たとう紙 辻が花 帯用 10枚
    たとう紙 帯用 10枚セット
  • たとう紙 おあつらえ 帯用 5枚
    たとう紙 帯用 5枚セット
  • たとう紙 辻が花 帯用 5枚
    たとう紙 帯用 5枚セット
  • たとう紙 おあつらえ 帯用 1枚
    たとう紙 帯用 1枚
  • たとう紙 辻が花 帯用 1枚
    たとう紙 帯用 1枚

お家メンテナンスと専門店

お家メンテのメリット
お家メンテのいいところは、手間はかかるが、コストが押さえられることです。
専門店へ依頼すると、着物を買った値段より高くかかることがあります。
そうなるとなんだかモヤモヤしてしまいます。

初めてお家メンテをするときは、多分すごくドキドキします。
失敗しないかな、キレイに洗えるかな、と。
でも、1回洗ってしまえば、コツもつかめますし、2回目以降はササッと洗えるようになります。
お家メンテのデメリット
洗える着物は生地が限られます。
お家で洗濯ができるのは、主にポリエステルか綿で作られたものに限ります。
麻もお家で洗えますが、激しく色落ちするものや激しく縮むものがあるので、注意が必要です。
正絹やウールで作られた着物は、お家で洗濯はできません。
時間が経過した汚れもお家で落とすのは難しいです。

また、失敗して、余計にシミ付かせてしまう可能性もあります。
そうなってしまえば、結局、専門店へ依頼することになってしまいます。

洗濯機で洗えるといっても、メイク汚れがついていた場合は、シミ抜きしておかないときれいにならないなど、結構手間のかかる作業です。
めんどくさいなと思ってしまうこともあるでしょう。
専門店のメリット
プロの高い技術で汚れを落としてもらえます。
生地や染め方、刺繍や金箔など、高級な着物であっても、着物に合わせた方法でキレイにしてもらえます。
基本的には、どんな着物でも引き受けてくれます。
時間が経過してしまった汚れでも、適切な方法で落としてくれます。

また、持っていくだけでいいので、手間もかかりません。

広範囲に汚れが広がってしまった場合でも、キレイになって手元に帰ってきます。
専門店のデメリット
なんといってもコストがかかるとこ。
生地や汚れ、シミ抜きの有無など、着物の状態で値段が変わります。
ちりも積もればなんとやら・・・
そこそこバカにできない金額になるでしょう。

比較的安価で受けてくれるお店もありますが、値段だけではなく、どのような洗濯、仕上げをしてもらえるのかというところや実績、口コミなどを考慮するのもいいでしょう。

着用後の着物の取り扱い

着物を脱いだ後
洗濯云々の前に、着用後の取り扱いをちゃんとしておくことで、着物の洗濯回数を減らせるし、専門店に持っていかなければいけないような事態を未然に防ぐことができます。
脱いだ後は、湿気を取り除きたいので、きものハンガーに掛けて陰干ししましょう。
一晩くらい干しておくのがいいでしょう。
※陰干し・・・風通しのよい日陰で干すこと(西日に注意)

ほこりや花粉などが付着している場合もあるので、ブラシなどで軽く払い落としておきましょう。
ずっと付着したままにしておくと、シミ汚れに変化する可能性があります。

翌日、しっかりと干した着物は、キレイに畳んで「たとう紙」に入れて保管しましょう。
タンスにしまう時は、できるだけ湿気の溜まりにくい上の段に入れるようにしましょう。
防虫剤や樟脳を入れる場合は、着物に直接触れないように入れましょう。
着物の劣化の原因になります。
虫干し
綺麗に長く保管するための昔からの慣習です。
しまわれている間にたまった湿気をとばします。

時期は、2月頃、8月頃、10月頃の年に3回です。

正絹や綿の着物の場合、湿気・虫害対策として効果的です。

ポリエステルの着物の場合は、虫干ししなくて大丈夫です。
化学繊維は、湿気にも虫害にも強いので。
虫干ししなくて大丈夫といっても、年に1回はタンスの中から出して風に当ててあげてください。

虫干しのタイミングで、古くなったたとう紙や防虫剤などをとりかえましょう。
たとう紙は和紙でできているので、時間の経過とともに、黄変していたりもします。
管理に手間のかからないポリエステルの着物と言っても、きれいな状態で保管したいですね。

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