着物の種類と見分け方とは?初心者でも分かる基本を解説

「着物に興味はあるけれど、種類が多くて選び方が分からない」

そんなお悩みはありませんか?

着物にはさまざまな種類があり、着用シーンに応じて選ぶことが大切です。

この記事では、正礼装から普段着まで、代表的な8種類の着物を易しく解説します

格や柄の特徴を知れば、迷わず着用シーンに合った一枚が選びやすくなり、着物がもっと身近に楽しめるようになりますよ。

代表的な着物8種類と見分け方

代表的な着物8種類と見分け方

着用シーンに応じて、適した種類の着物を選ぶことが大切です。

着物には「格」と呼ばれるいわゆるランクがあり、正礼装・準礼装・略礼装・普段着に分類されます。

格ごとにいろいろな種類の着物があり、代表的なのは以下の8種類です。

着物の種類
正礼装 留袖
振袖
準礼装 訪問着
付け下げ
略礼装 色無地
付け下げ
普段着 小紋

浴衣

それぞれの着物が持つ特徴や着用シーンを、種類ごとに詳しく見ていきましょう。

1.留袖(とめそで)

留袖は、未婚・既婚を問わず着用できる女性の第一礼装で「正礼装」に当たります。

裾のみに絵羽模様(えばもよう)が描かれ、広げると柄が一枚の絵のように見えるデザインが特徴です。

柄には、花や蝶、松竹梅などの縁起の良いモチーフが多く使われています。

さらに、背中に1カ所・両袖に2カ所・両胸に2カ所の計5カ所に家紋を入れる「五つ紋」も留袖の大きな特徴。

五つ紋入りの留袖は、着物の中でも最も格式が高い装いとされています。

主に、結婚式をはじめとした冠婚葬祭や式典の場で着用されることが一般的です。

2.振袖(ふりそで)

未婚女性が着用する第一礼装で「正礼装」に当たるのが、振袖です。

最大の特徴は、長く華やかな袖で、動きに合わせて美しく揺れる姿が目を引きます。

牡丹・桜・鶴などお祝いにふさわしい華やかな柄が多く、明るい色使いも魅力の一つでしょう。

袖の長さによって「大振袖」「中振袖」「小振袖」の3種類があり、袖が長いほど格式が高いとされています。

大振袖は主に結婚式の花嫁衣装に、中振袖は成人式や結婚式の参列に、また小振袖は卒業式などで用いられています。

3.訪問着(ほうもんぎ)

訪問着は、裾・袖・襟の柄が縫い目で途切れず一枚の絵のようにつながっている絵羽模様が特徴の「準礼装」です。

留袖のように紋を入れることもあり、中でも五つ紋を入れることで格が高くなります。

一つ紋や三つ紋で仕立てることも多く、紋の数や有無によって用途に合わせた着こなしが可能です。

結婚式や披露宴の他、パーティーや食事会など幅広い場面に対応できるため、デザインや色合いのバリエーションも豊富です。

目的や好みに合わせて選ぶ楽しさも、訪問着の魅力の一つですね。

4.付け下げ(つけさげ)

「準礼装」「略礼装」である付け下げは、訪問着とよく似ており裾・袖・肩に柄が入っています。

ただし、縫い目で柄がつながっていない点が訪問着との違いです。

また見分け方の一つとして、模様の印象があります。

付け下げは紋を付けずに着用する他、一つ紋を縫い紋で入れておくと、帯の合わせ方次第で幅広いシーンに対応できます。

5.色無地(いろむじ)

色無地は「略礼装」に当たり、白生地を黒以外の一色で染めた着物です。

地紋(じもん)と呼ばれる織り方や糸の変化による織模様がある生地と、地紋の無い生地があります。

紋を入れることで「準礼装」に格式が上がるため、紋の数により結婚式や入学式、七五三など改まった場にも着用できます。

このように、さまざまな場面で使い分けられる汎用性の高さが、色無地ならではの強みといえるでしょう。

6.小紋(こもん)

小紋は「普段着」として親しまれている着物で、全体に細かな同じ模様が繰り返し染められているのが特徴です。

遠目では無地のように見えるほど細かな柄も多く、代表的な模様には、鮫・行儀・角通しの3つがあり、江戸小紋の「三役」と呼ばれています。

食事会、観劇などの日常のお出かけに最適な小紋ですが、三役の江戸小紋に一つ紋を付けると格が高くなり、準礼装として着用することができますよ。

7.紬(つむぎ)

紬は、紬糸を染めてから織り上げる「先染め」の織物です。

節のある糸で織られることによる、素朴で温かみのある風合いが魅力の一つです。

代表的なものに、大島紬や結城紬、牛首紬などがあり、それぞれの産地ごとに異なる表情があります。

紬は「普段着」に当たるため、高価な着物でも礼装としての使用には向いていません。

カジュアルでありながら上質さを感じさせる紬は、ホームパーティーや習い事など、日常のおしゃれ着としての使用におすすめです。

8.浴衣(ゆかた)

「普段着」の一つの浴衣は、着物の中で最も格下となります。

浴衣は、お風呂上がりの羽織や寝巻きなど部屋着として使われてきた木綿素材の着物です。

現在では、花火大会や夏祭り、温泉旅館での着用など、リラックスした場面で多く見られます。

着物初心者でも取り入れやすく、季節感を気軽に楽しめる一枚として広く親しまれています。

着物の種類を押さえて正しく着こなそう

着物には正礼装・準礼装・略礼装・普段着といった格があり、場にふさわしい着物を選ぶことが大切です。

柄や紋の特徴を理解すれば、シーンに合った着こなしが自然とできるようになりますよ。

格や種類の詳細はこちらのページでも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

着物の種類と格とは?礼装・準礼装・外出着・普段着に分けて解説

きものKYOETSUでは、今回ご紹介したようなさまざまな格・種類の着物を豊富に取り扱っています。

目的に合った一枚がきっと見つかりますので、ぜひチェックしてくださいね。

着物・和装小物ならきものKYOETSUへ