粋に装うメンズ着物! 初心者でも分かる選び方と着付けのコツ
男性の着物は、スーツやカジュアルウェアとは一味違う、特別感あふれる装いです。
上手に着こなすことで、周囲に差をつける粋な印象を与え、大人の落ち着きや品格を演出できます。
フォーマルな場はもちろん、休日の街歩きやちょっとした外出にも着物を活用すれば、あなただけの個性的なおしゃれが楽しめるでしょう。
本記事では、メンズ着物に興味はあるものの、選び方や着方が分からないという初心者の方に向けて、基本的な知識や着こなしのコツを解説します。
メンズ着物の種類
日本の和装は、フォーマル度合いによって大きく「正礼装」「準礼装・略礼装」「洒落着」の3種類に分類できます。
着る場面やTPOに合わせて適切な着物を選ぶのが、和装をスマートに楽しむポイントです。
正礼装
男性の第一礼装である「紋付羽織袴」は、格式高い正装です。
家紋を五つ入れた黒紋付羽織袴が代表的で、結婚式や成人式などの晴れ舞台に着用されます。
また伝統的な儀式にもふさわしい、威厳のある装いです。
準礼装・略礼装
正礼装に次いで格の高い準礼装は、「一つ紋」や落ち着いた色味の袴を合わせるスタイルが代表的です。
結婚式や式典への参加、少し改まった食事会などに着用できます。
略礼装は、準礼装に比べてやや格式が下がり、紋を付けない色無地や落ち着いた色柄の紬(つむぎ)などが該当します。
ホテルでの食事会やちょっとしたパーティーなど、フォーマルでありつつも、軽やかな印象を与えたい場面に最適です。
洒落着
洒落着は普段着感覚でカジュアルに楽しむ着物です。
街歩きや趣味の集まりなど、気軽なお出かけの際に着用します。
素材は、紬や御召、江戸小紋だけでなく、ウールや木綿、ポリエステル、デニムなどの素材もあります。
浴衣も男性の洒落着の一つです。帯や小物で遊び心をプラスすれば、個性を演出できます。
季節に合わせたメンズ着物の選び方
日本の四季に応じて着物を変えて楽しむのも、和装ならではの醍醐味です。
気候や気温、見た目の涼しさを考慮しながら、以下のようなタイプを使い分けましょう。
- 袷(あわせ):裏地付きで保温性が高く、10月~5月の秋、冬、春先にかけて着用します。
- 単衣(ひとえ):裏地なしの一枚仕立て。5月〜6月や9月頃など、気温が穏やかな時期に活躍します。
- 薄物(うすもの):裏地のない薄い生地を使用し、7月~8月の真夏の暑さにも対応。見た目にも涼やかで軽やかな印象です。
素材としては、秋冬には保温性の高いウールや木綿、春夏には通気性に優れた麻や綿麻混紡がおすすめです。
こうした工夫で、暑い日や寒い日でも快適に過ごせます。
メンズ着物は帯や小物もポイント
メンズ着物をおしゃれに着こなすには、着物や帯だけでなく、小物との組み合わせも重要です。
代表的な小物を紹介しますので、シーンや好みに合わせて取り入れてみましょう。
帯
メンズ用の帯としては、フォーマル・カジュアルどちらにも使える「角帯」が定番です。
カジュアルなシーンには「兵児帯」という選択肢もあります。
着物とのバランスを考慮して選ぶのがポイントです。
羽織
羽織は、着物の上に着る上着です。
防寒着としてだけでなく、フォーマルな印象を演出するのにも役立ちます。羽織紐を使って前を留めて着用します。
長襦袢
着物の下に着る必須アイテムです。正礼装には白、準礼装・略礼装では薄い色を使用します。
和装用下着(半襦袢、ステテコなど)
和装の用の肌着を着用すると、汗で長襦袢が肌に付くのを防止できます。
半襦袢であれば下にステテコを着用します。
半襟
長襦袢の衿部分に縫い付ける小さな衿です。
正礼装には白無地を、準礼装なら無地の色物、洒落着なら色柄物を使用します。
羽織紐
羽織の前合わせを留める紐です。
正礼装では白、準礼装・略礼装には色付きの羽織紐を使用します。
カジュアルなシーンでは飾りが付いたものなどを選ぶと個性が出せます。
足袋
着物に欠かせない靴下の役割をもつアイテムです。
正礼装は白無地を、準礼装には白無地や色無地、洒落着では柄物を使用可能です。
履物
メンズ着物に合わせる履物は草履や雪駄、下駄が定番です。
シーンに合わせて素材を選びましょう。
鞄や袋物
和装ではポケットがない分、鞄や巾着袋を活用するケースが多いです。
ブリーフケースやクラッチバッグを持つスタイルもあります。
全体のコーディネートとも調和させましょう。
扇子
正礼装では祝儀扇、略礼装には高座扇を持ちます。
カジュアルなシーンでも夏場に暑さをしのぐのに役立ち、小道具として持つと粋な印象になります。
これらのアイテムをバランスよく取り入れることで、見た目の完成度が高まり、着崩れも防ぎやすくなります。
メンズ着物の着方
初めは難しく感じがちな着付けも、ポイントを押さえればスムーズに覚えられます。
ここでは大まかな流れを紹介します。
1.和装用下着や足袋、長襦袢を身に付ける
まず半襦袢や和装用の肌着、ステテコ、足袋を着用します。
足袋は後から履くと着崩れの原因となるため最初に履きましょう。
次に長襦袢の中心をしっかり整えて着用します。
2.着物を羽織る
着物を肩にかけ、背中心がずれないように合わせます。
裾の長さを決め、腰紐で固定。男性の場合は右前(向かって右側を手前)に必ずなるよう注意が必要です。
3.襟元を整える
左右の襟先が対称になるように調整し、首の後ろに指2本程度の余裕を持たせると美しい襟元になります。
4.帯を締める
角帯や兵児帯などお好みの帯を選び、ウエストに巻きつけて結びます。
代表的な結び方として「貝の口」がシンプルで初心者にもおすすめです。
5.羽織を着る
肌寒いときやフォーマル感をプラスしたいときは羽織を重ね、羽織紐で前を留めれば完成です。
最初は少し時間がかかっても、繰り返し着ているうちに自然と慣れていきます。
着付け教室や動画サイトなどを活用すると、より早く上達できるでしょう。
まとめ
男性の着物は、粋な雰囲気と品格を演出できる特別な装いです。
素材や季節に合わせた着物選びや、帯や小物とのコーディネート次第で、フォーマルからカジュアルまで多彩なシーンに対応できます。
いつもとは違った気分を味わえるのも着物ならではの魅力です。
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